eboardが、ろう・難聴の子など向け、映像授業約1,600本に「やさしい字幕」を 今夏公開
2021年5月17日
NPO法人eboardが、オンライン学習の機会確保が困難となっている ろう・難聴児や、外国につながる子を主な対象として作られた映像授業字幕、「やさしい字幕」を 2021年夏に公開する。また、2021年4月からは、同字幕の効果的な活用に向け、ろう学校や学習支援NPO等での実証事業をスタートした。
eboardは、小中学校の内容(国、数、英、理、社)を中心に、映像授業とデジタル問題集で日々の学習や復習を無償でサポートするICT教材。
全国的な休校が続いた2020年春の新型コロナウイルス感染拡大時、eboardを全国100万人以上の人に届けることができた一方、聴覚障がいや日本語支援が必要な子に配慮されたオンライン教材が社会的に不足していることから要望が相次いだという。そのため、同年秋に、団体が保有する小学校高学年と中学校の映像授業約1,600本に「やさしい字幕」をつけるプロジェクトをスタートさせた。
「やさしい字幕」は、字幕の表示量の調整、言葉や文章構造の簡素化を行うことで、学習のハードルが下がるよう編集された字幕。「やさしい字幕」化により、自動翻訳で得られる外国語字幕の精度も上がるため、外国につながる子の学習支援での活用も期待されている。
字幕の作成には、これまでに16の企業・団体ボランティア、個人のボランティアを合わせ、のべ1,000名を超える人が協力。今夏に、約1,600本分の「やさしい字幕」を公開できる運びとなった。義務教育課程の学習内容を広く取り扱った動画教材としては、国内で唯一、字幕による機会保障を行なった教材が誕生する。
今年4月からは、ろう学校や学習支援団体の協力の下、教育現場での効果的な活用モデルづくりに向けた実証事業をスタートしている。公開後は、対象となる学年を広げ、小学校低学年の映像授業についても字幕の追加を進める予定で、現在、在宅・オンラインで取り組んでもらえる企業・団体ボランティア計300名を募集しているとのこと。